スポットワークのマッチングプラットフォームを通じた 広域就業と関係人口創出可能性に関する調査レポート

調査の背景・目的

少子高齢化に伴う労働力不足が深刻化する中、地域と多様に関わる「関係人口」(※1)の創出は、地方自治体にとって喫緊の課題です。

こうした中、「スポットワーク(短時間・単発の就労として時間単位又は1日単位の雇用契約のもとで働く働き方)」は、仕事選択の心理的・地理的障壁を下げ、居住地を離れた遠方地域でのマッチングを促進する特性を持っています。

本レポートは、スキマバイトサービス「タイミー」のデータとワーカーに対するアンケートに基づき、スポットワークが「関係人口」の創出・拡大にどのように貢献し得るかを明らかにすることを目的として実施しました。

(※1)関係人口:移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々(総務省「二地域居住・関係人口ポータルサイト」)

結果サマリー

年間延べ約74.2万人が日常的な生活圏等を超えて就業

直近1年間で、日常的な生活圏や通勤圏を超えて広域でマッチング(※2)したワーカーは延べ約74.2万人になりました。タイミーを通じた働き方が日常的な生活圏等を超えた広域的な労働力の移動を促進していることがわかりました。

(※2)「広域マッチング」の定義や推計方法は、報告書本文(P3)を参照

中心都市から周辺都市へ労働力を供給(図表1、2)

「中心都市(※3)」のワーカーが「周辺都市(地方部や町村)(※3)」へ移動して就業する傾向が確認されました。特に、遠方就業では「旅館・宿泊・レジャーサービス業」のマッチング割合が相対的に高いという特性が見られました。

(※3)「中心都市」と「周辺都市」の分類は、国土交通省「都市類型対応表」を活用

「関係人口」創出への寄与(図表3)

遠方就業ワーカー(※4)を分析した結果、単に働く目的の「収入型(55.1%)」に対し、観光や地域活動を併せて行う「余暇活動中心型(35.9%)」や「地方関心型(9.1%)」が約半数に達しました。就業を機に地域との関わりが深まった層も一定数存在し、スポットワークが関係人口の「入り口」として機能しています。

一方、経済活動・地域活動への関わりの意欲(78.6%)と実活動(45.0%)の間に乖離が存在しました。現状では、ワーカーの「地域に対して貢献したい」といったニーズに十分に応えられていないことがわかりました。

(※4)「遠方地域」及び「遠方就業ワーカー」の定義は、報告書本文(P1,2)を参照

まとめ

本レポートから、スポットワークが、遠方地域でのマッチングを創出しやすい特性があることがわかりました。これらを直ちに「関係人口」と評価することはできませんが、地域への関心を持って就業し、地域活動に積極的に参画するワーカーの中には、「関係人口」と評価し得る者も一定存在するものと推察されます。

今後は、潜在的な意欲を行動へ転換させるための仕組みづくりや、多様なアクターとの連携による機会提供が重要と考えられます。

図表1 遠方就業ワーカーの居住地と就業先(遠方地域)(N=379)

図表1 遠方就業ワーカーの居住地と就業先(遠方地域)(N=379)

図表2 遠方就業ワーカーが働いた業種(複数回答)(N=396)

図表2 遠方就業ワーカーが働いた業種(複数回答)(N=396)

図表3 「地域との関わり方」の分類(「実際に過ごした内容」と「過ごしてみたい内容を含む合計」のギャップ)

図表3 「地域との関わり方」の分類(「実際に過ごした内容」と「過ごしてみたい内容を含む合計」のギャップ)

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※本データを引用する際は、「スポットワーク研究所」を出典として明記してください。

株式会社タイミー 地方創生グループ 企画チーム
・プロジェクトリーダー:山口眞司
・プロジェクトメンバー:鈴木翔、菅藤詩歩

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