調査ダイジェスト
調査の背景・目的
人材不足が深刻化し「2025年問題」に直面する介護業界においては、その解決策としてスポットワークの活用が注目されています。介護業界におけるタイミーの募集人数は2025年1月時点で前年同月比約3.6倍に急拡大しており、導入事業所の90%以上が2025年問題の影響を実感しています。
本レポートでは、介護業界におけるスポットワークの可能性を探るため、タイミーの事業データやアンケート調査に基づき、介護業界におけるスポットワークの活用実態と有効性を分析しました。
ワーカーの実態:資格保有と動機
- タイミーに登録する介護分野の有資格者数は約41.8万人(2025年1月時点)に達しており、タイミーを通じた介護事業所でのスポットワーク経験者の約8割(80.2%)が介護関連の有資格者となっています。
- 初めて介護業界でスポットワークをした動機としては、「希望の時間帯と合致したから(75.9%)」という理由が最も多く、次いで「元々介護資格を保有しており、資格が活かされるから(33.6%)」、「過去に介護業界で働いた経験が活かされるから(32.8%)」が上位です。
人材確保と定着への有効性
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介護事業所にとっては、スポットワークが人材確保・定着に有効であることが示唆される結果となりました。
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長期採用実績:約8割の介護事業所がスポットワークを活用した人材の定着に成功し、そのうち半数程度(48.1%)は長期採用が実現しています。事業所側は、スポットワークを経由した長期採用について、相性を確かめた上での採用や即戦力化に繋がる点を評価しており、ミスマッチ解消に役立っています。
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潜在人材の掘り起こし:介護業界で働くスポットワーカーのうち、有資格者だが現在介護業界で就業していない、または過去に介護業界での就業経験がない「潜在有資格者」は43.5%を占めており、スポットワークはこれらの潜在人材の掘り起こしに寄与していると言えます。
- 業界イメージの向上:介護業界でのスポットワーク経験者の44.3%が介護業界で働くことのイメージが向上したと回答。また、スポットワークを活用した人材の定着に成功した事業所の19.5%は介護業界未経験者の定着を実現しており、未経験者の介護業界への参入にも貢献しています。
スポットワークは、働き手の資格や経験に応じて業務を切り出し、多様な人材の参画を可能にすることで、人材確保や業務負担軽減に資する有効な採用ツールとして機能しています。これは、地域の多様な人材を活かして介護サービスを運営するという介護行政の方向性とも合致しており、スポットワークという働き方が、将来的な介護サービスの安定提供体制の維持に大きく貢献できると考えられます。
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※本データを引用する際は、「介護業界におけるスポットワークの活用実態と有効性に関するレポート(スポットワーク研究所)」を出典として明記してください。
