- 広大な海を目の前にあわびを堪能!あわび王国まつり当日レポート
- 「あわび」に惹かれて母娘で志摩へ!あわび王国まつりでの仕事体験インタビュー
- 志摩市観光協会の矢田さんが語る、志摩地域への想いとタイミー活用のリアル
- おすすめ記事
志摩市は、三重県の南東部、太平洋に突き出た志摩半島に位置する志摩市。市の全域が「伊勢志摩国立公園」に指定されており、リアス海岸の美しい景色が広がっています。世界で初めて真珠の養殖に成功した真珠養殖発祥の地であり、今も多くの海女(あま)さんが活躍しているのが特徴。2016年には「第42回先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)」が行われたことでも有名です。
2025年4月25日、タイミーは志摩市および一般社団法人志摩市観光協会、志摩市商工会と包括連携協定を締結。スポットワークによって市内の人手不足解消を目指していきます。
今回は、2025年5月4日に志摩町布施田ふれあい公園で実施された「 志摩あわび王国まつり」の取り組みについて紹介します。必要なときに働き手を募集することができるスポットワークサービスは、地元のイベントや季節行事などのスタッフ募集にも適しており、多くの地域で活用が始まっています。
そこで、実行委員会の中心人物として長年祭りを支えてきた矢田耕一さんに、本イベントの思い、今年から本格的に導入したタイミー活用の手応えと今後の課題についてお伺いました。また、実際に、タイミーを通じて親子で参加された佐藤こずえさん、月さん親子にもインタビューを実施。ぜひご覧ください。
広大な海を目の前にあわびを堪能!あわび王国まつり当日レポート
三重県志摩市で50年以上の長きにわたり開催されている「志摩あわび王国まつり」。多くの地元住民や観光客で賑わうこの伝統的な祭りは、コロナ禍による5年間の中断を経て、昨年待望の再開を果たしました。今年で40回目の開催となります。
開催場所は、美しい海に面している「布施田ふれあい公園」。釣りやジョギングなども楽しめる憩いの場所として、地元民から観光客まで訪れる志摩市自慢の観光スポットです。
あわびをはじめとした魚介類はもちろん、松阪牛を使った串焼きや手こね寿司などの郷土料理も食べられることから、例年多くのファミリー層や観光客が訪れます。
あわび王国まつりは、地元民が作り上げている行事としても有名。地元の高校生が水産資源科の活動を展示していたり、ステージではさまざまなパフォーマンスが行われました。
このような大掛かりなイベントを開催するためには、運営スタッフの確保が必要です。今回、あわび王国まつり実行委員会ではタイミーを使って、「設営準備や撤去作業(※)、当日の運営サポート」を手伝ってくれる方を募集しました。
※仕事内容にある「設営準備・撤去作業」に関しては、旗や簡易テント、机など、誰でも扱うことができる業務をお願いしています。また、都度確認・声掛けを行いながら安全を考慮しながら仕事をお願いしました。
例えばゴミステーション。食べ終わったお皿や割り箸などを分別するべく、お客様を誘導します。近くには実行委員のスタッフさんが付いてくれていたので、わからないことはすぐに確認することができました。
あわびセットの販売を任されるワーカーさんも。セットされた貝類をお渡しします。お客様とのコミュニケーションを楽しんでいる姿が見受けられました。
あわび王国まつりにおいては、「8時〜12時」と「13時〜17時」と2つに分けて募集を実施しました。スポットワークの場合、忙しい時間だけ集中して稼働してもらうことが可能。休憩時間の調整業務も不要になるので、少ない運営体制においても利用しやすいという声をいただいています。
「あわび」に惹かれて母娘で志摩へ!あわび王国まつりでの仕事体験インタビュー
今回は、親子であわび王国まつりに働きにきた、鈴鹿市在住の佐藤こずえさん、佐藤月(ルナ)さんにお話を伺いました。現在お二人は、推し活にハマっていて、全国を飛び回っているのだそう。その活動資金のために、本業の傍らでタイミーを利用しています。
——お二人は一緒に働かれていることが多いとのことですが、どんなところがタイミーの良さだと思いますか?
佐藤こずえさん(以下、こずえさん):私が仕事をお休みしていた時期があったのですが、お金もないし、何か働きたいと思ったときに知ったのがタイミーでした。単発で働けるのはいいなと思って、すぐに月にも教えたんです。時給も高いところが多かったですし、給料の支払いも即日だったので、効率よく働けることが魅力でしたね。
佐藤月さん(以下、月さん):普通のアルバイトだと、職場の雰囲気が合わなくてもすぐに辞めづらいですよね。でもタイミーだったら1日単位で働くことができるので、雰囲気が合わないと感じたらすぐに次を探すことができる。そこも利用しやすいポイントです。あとは、私の場合まだ自分にはどんな仕事があっているのかわかっていない部分があるので、さまざまな仕事を通じて出会いや経験を積むことができる点も良い点だと思います。
——今回志摩あわび王国まつりに申し込みされたのは、どのような理由からだったのでしょう。
こずえさん:私たちはいつもタイミーアプリで面白そうな仕事があればシェアしあっているんです。先日は鈴鹿サーキットの募集が出ていたので、2人で働きにいきました。普段は仕事柄黙々と作業をすることが多いので、接客やチケットもぎりなど普段体験できないような仕事はついつい申し込んでしまうんです。今回は募集のタイトルにあった「あわび」の文字に惹かれてしまって(笑)。面白そうだし、良い体験になるし、お給料ももらえるし、月が海鮮が大好物ってこともあったので、「一緒に申し込もうよ」とすぐにシェアしました。
月さん:お母さんからリンクが送られてきて、何も考えずにすぐに申し込みました。そしたら場所が志摩市って書いてあって(笑)。その移動距離にびっくりしました。でも、GW中は母の本業が忙しくてどこにも行けてなかったので、「ちょっとした旅行気分でいいね」と志摩市に働きにいくことが楽しみで仕方ありませんでした。
——実際に働いてみていかがでしたか?
こずえさん:主に接客業務と撤収作業を担当したのですが、皆さんとても親切にしてくださって。試食もさせていただいてその美味しさに感動しました。椅子やのぼりの片付けは大変でしたけど、「働いたなー」という達成感を味わうことができましたね。
月さん:私は接客業務が苦手なんですけど、おしゃべりは母に任せて私はずっと笑顔で作業することに専念していました(笑)。確かに撤収作業は疲れましたけど、軽トラックに荷物を積んだのですが、荷台に乗る機会なんてそうそうないので、楽しかったですね。
——たくさんの経験をされたのですね。志摩市で働いてみて何か印象は変わりましたか?
月さん:海が本当に綺麗でした!自然が豊かでのんびりとした環境の中で働くのは気持ちよかったですね。仕事の合間に海を眺めて癒されていました。あとは、作業中に地元の方や他のスタッフさんが気さくに話しかけてくれることが多くて驚きました。
こずえさん:志摩の人はみんなニコニコしていて、よく喋るんです。ある男性スタッフさんは「志摩、いいところでしょ?」って、ずっと志摩の魅力を語ってくださいました(笑)。運営スタッフの方も面白い人が多くて、ワーカーさん同士も和気あいあいとしていて、こんなにほんわかした雰囲気の職場は初めてでした。働く前までは志摩スペイン村の印象が強かったのですが、こんなに良い場所があるなんてあわび王国まつりで働かなかったら知ることはなかったかもしれません。ちょっとしたプチ旅行気分で自然にも人にも触れることができたので、今度はゆっくり訪れたいなと思います。
志摩市観光協会の矢田さんが語る、志摩地域への想いとタイミー活用のリアル
最後に、あわび王国まつりでタイミーを利用した経緯、利用してみての感想を、実行委員である矢田さんにお伺いいたします。
——矢田さんは地元ご出身と伺いましたが、どのような経緯で「あわび王国まつり」に関わるようになられたのでしょうか?
矢田耕一さん(以下、矢田さん):地元の高校を卒業後、父の家業である真珠の仲買を手伝い始め、結婚して子供が3人生まれたのを機に自分の会社を立ち上げました。志摩で生まれ育って、2週間以上地元を離れたことがありません(笑)。
「あわび王国まつり」との関わりは、もう30年以上になります。当時は志摩町観光協会が主催していたのですが、専務理事に誘われたことをきっかけに関わるようになりました。その後、志摩町観光協会の理事、志摩市観光協会の理事を務め、今に至ります。
——「あわび王国まつり」は非常に歴史のあるお祭りなのですね。再開は皆さん非常に待ち侘びたのではないでしょうか。
矢田さん:昭和45、6年頃から続いていると思いますので、もう50年以上になりますね。元々観光業が盛んだったことから、ゴールデンウィークに訪れている観光客に喜んでもらい、また来てもらおうという観光PRとして始まったと聞いています。
コロナ禍で中止せざるを得なかったとき、出店業者さんや参加してくれる人たちは「いつか再開してくれ」と待ってくれていました。ただ、昨年リスタートしたときは、来場者がまだ完全には戻っておらず、ピーク時の4割減くらいで少し寂しかったですね。昨年の反省も活かして、今年は赤字覚悟で貝類のお得なセットも用意したんです。お客様が喜んでくれることが何よりも嬉しいですからね。奮発しちゃいました。
——地元の皆さんによるステージイベントも非常に賑やかでしたね。
矢田さん:地元の子供たちによるステージも昔から続いています。志摩町の太鼓「荒波太鼓」や、子供園の「ドリームダンス」、小学校の「鼓笛隊演奏(現在はソーラン節など)」など、子供たちに祭りに参加してもらって、彼ら彼女らが大人になったらまたスタッフとして戻ってきてもらおう、という想いでやっています。
——今回、タイミーをご活用いただいた理由をお聞かせいただけますか?
矢田さん:志摩市がタイミーと包括協定を結んだことは、観光協会の理事をしているので耳に入っていました。実はあわび王国まつり実行委員会では、去年から有償ボランティアを探していたのですが、人を集める具体的な方策がなかったんです。そんな時にタイミーさんの話を聞いて、まさに「渡りに船」でしたね。
これまではずっと無償ボランティアだったので、何人集まるか当日まで読めないというのが一番怖かったんです。その点、タイミーなら募集した人数がほぼ確実に集まってくれる。それが一番ありがたいことですね。実はコロナ禍前から、観光業に携わる人が減り、スタッフが集まりにくくなっていました。さらに、出店事業者さんも地元だけでなく、明和町や松阪市、遠くは岐阜県から来てくれてます。そのため、前日から準備に来てもらうのが難しいので、準備スタッフを別に雇う必要がありました。
——実際にタイミーを活用されてみて、いかがでしたか?
矢田さん:本当に助かりました。意外だったのは、今回来てくれたワーカーさんで一番近かったのが伊勢の方。遠方からでも来てくださることに驚きましたね。タイミーを使っている地元の知り合いから、「あわび王国の募集見たよ!働きたかったけど別の仕事に申し込んじゃったよ」なんて言われました。来年はもっと早く告知するとか、工夫が必要かもしれません。もちろん、募集の仕方とか時間とか細かいことでの反省すべき点はありますが、運営スタッフが少ない中人手を確保できたので、利用してよかったと感じています。
——今回の経験を踏まえ、今後タイミーをどのように活用できるとお考えですか?
矢田さん:色々考えられますね。例えば、東京や大阪などで観光PRイベントや物産展を行う際に、現地でタイミーを使ってスタッフを募集するのは良さそうですね。志摩市から職員を派遣するとなると交通費や宿泊費がかかりますから、経費を大幅に削減できます。働いてもらうことで東京や大阪にお住まいの方に、志摩市のことに触れていただく機会にもなるんじゃないかなと思っています。
地元においては、観光業や飲食業から徐々に利用を促進していくことが良いと感じています。今回来てくれた男の子で、「漁協さんに行きたいんです」という子がいました。そういう声があるのは嬉しいですね。ただ、志摩の主な漁業である海人さんや伊勢海老漁、あるいは真珠養殖といった分野は、専門性が高く業務切り分けは難しい。さらに大きな水産加工業がないため、現状では水産分野での大量の人手需要は少ないかもしれません。しかし、市の水産課などと連携して漁業関係者と話を進めていけば、何か面白い展開が生まれるかもしれません。「できない」と切り捨てるのではなく「できる可能性」を模索していきたいです。
いずれにしろタイミーを通じて遠方から志摩市に訪れてくださったかたがたくさんいたのは良い気づきになりました。これをきっかけに関係人口創出など町を盛り上げて行けたら嬉しいですね。